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 花子さんはニュースで今年の6月に,平泉(岩手県)と小笠原諸島(東京都)が世界遺産(いさん)に登録されたことを知りました。そして,いろいろな本やインターネットなどで世界遺産について調べているうちに,表1を見つけました。また,次の資料1は,調べた内容から,花子さんがまとめたものです。あとの(1)〜(5)の問いに答えなさい。

資料1

 世界遺産とは,国連の組織であるユネスコが定めた,遺跡や自然の風景など人類が共有すべき「顕著※1で普遍的※2な価値」を持つもののことで,世界遺産を保有する国には国内にある世界遺産を保護をする義務があります。世界遺産は大きく分けて3種類あります。1つ目は,すぐれた価値を持つ地形,生物,風景などをもつ「自然遺産」。2つ目はすぐれた普遍的価値を持つ「文化遺産」。3つ目はこの二つが合わさった「複合遺産」です。現在,日本では16の世界遺産が登録されており,その内訳は,自然遺産が4,文化遺産が12となっています。
 世界遺産に登録されるためには,各地方自治体が,世界遺産に登録してほしいものを政府に提案し,政府はそれをもとにユネスコに推薦するものを選びます。一方,ユネスコは政府から推薦されたものを,内部組織を通して調査します。その調査の結果,人類共通の世界遺産にふさわしいと認められたものが世界遺産に登録されます。
 地元の人々にとって,自分の故郷が世界遺産に登録されることは大きな意味を持っており,毎年各地で「自分の地元を世界遺産に登録しよう」という動きが起きています。最近では,登録基準が厳しくなっているうえ,各国で毎年登録される件数も決まっているので,非常にはげしい争いとなっています。
 ただ,ここで注意しておかなければいけないのは,世界遺産に登録する本来の目的は,あくまでも「顕著で普遍的な価値」を有する「文化遺産」,「自然遺産」を人類共通の財産として保護し,次の世代に伝えていくということです。世界遺産の登録は,自分たちの利益だけを考えるのではなく,登録後の影響も考慮(こうりょ)して慎重に進めていく必要があります。

※1 顕著:際立って目につくさま。だれの目にも明らかなほどはっきり表れているさま。
※2 普遍的:広く行き渡るさま。極めて多くの物事にあてはまるさま。

(1)
 表1は花子さんの調べた日本にある主な世界遺産の観光客推移です。花子さんは表1にある@〜Hの世界遺産は,3件ずつ3つのグループに分けることができると気づきました。
 割合と観光客数の推移に注目して,表1の@〜Hの世界遺産を3つのグループに分け,番号で書きなさい。また,分類したそれぞれのグループの特徴を説明しなさい。

※割合=世界遺産に登録された年を100%とした増減値

表1 主な世界遺産の観光客数推移(網かけ・太字部分は世界遺産に登録された年)

(愛媛県資料より作成)

(2)
 下線部「大きな意味」とありますが,はる子さんは世界遺産に登録されると,観光客が増えて地域の収入が増えるという経済的な意味があることに気付きました。しかし,世界遺産に登録されることは,経済面以外にもさまざまな利点があります。
 世界遺産に登録されることは,地元の人々にとってどのような利点があると考えられますか。あなたの考える利点を書きなさい。


 花子さんは,自然遺産を守っていくためには環境保全も大切であると考え,地球環境について調べました。次の資料2は,調べた内容から,花子さんがまとめたものです。

資料2

 環境保全の指標として「エコロジカル・フットプリント」というものがあります。エコロジカル・フットプリントとは,私たちがどれだけの地球上の面積を使って生きているかを表す指標です。消費する食料・繊維・木材を生産するのに必要な耕作地・牧草地・森林・漁場と,消費したエネルギーを生産する際に排出される二酸化炭素などの廃棄物を吸収するために必要な土地,そして上下水道や道路などの設備を整えるのに必要な土地を合計したものです。国際化された世界では,1つの国の出来事は海外にも広がっていきます。海外の木材で建てられた住宅に住み,海外で作られた衣服を着て,海外から輸入された石油で得られる電力を使い,海外で生産された食糧を食べて,私たちは生きています。つまり私たちは,国内の土地だけでなく,地球上の多くの土地を「仮想※領地」として使っていることになります。
 表2では国別に使っている,仮想領地を含んだ土地面積(エコロジカル・フットプリント)を「グローバルヘクタール(gha)」という単位で表しています。同じ1ヘクタール(ha)でも,土地ごとに「どれだけの作物を生産できるか」という生産性に違いがありますが,そのような土地ごとの生産性の差をなくすために,生産性を平均化した仮想の土地面積の単位をグローバルヘクタール(gha)というのです。さらに,国土の生産可能量と比較して,国土の生産可能量の何倍の暮らしをしているのか,また,その暮らしを世界中の人が行ったら地球何個分必要かを算出しています。表2にあるように,世界中の人々が日本と同じ水準の暮らしをした場合,地球は2.47個必要になります。
 このようなことが続けば,地球は成り立たなくなってしまうとも考えられます。そうしないためには2つのことが考えられます。1つは,今あるものを大切にし,生活から無駄をなくすことです。たとえば,食事の食べ残しをしないようにしたり,壊れたものも修理して大切に使い続けたりすることです。もう1つは科学技術を進歩させ,生産性を上げることです。鉱産資源やエネルギー資源,農林水産業などさまざまなあらゆる分野での科学技術の進歩によって,地球環境に余裕ができ,生活水準を落とすことなく,地球にかかる負荷を少なくすることができるのです。

※仮想=仮に想定したこと。想像上のこと。


(3)
 生産可能量に対するエコロジカル・フットプリントの割合が6.29と高いことから,日本人は,他の国の人と比べてどのような生活をしていると言えますか。資料2,表2を参考に,あなたの考えを書きなさい。


 花子さんは地球環境について調べていくうちに,2011年は国連の定める「国際森林年」であると知りました。国際森林年には,現在・未来の世代のために,すべての森林をできるだけ長い間存続させられるように保護したり,無理のない開発をしたりするなど,さまざまな面で意識を高める努力すべきとされています。
 図1は国際森林年のロゴマークです。森林にはさまざまな働きがあり,このロゴマークにある植物や作物のイラストは食料を,瓶のイラストは薬品の原材料を,雲のイラストは緑のダムを,住宅のイラストは木材を表しています。
 森林は,豊かな水資源や生態系を育み,地球環境と世界の人々を支えてきました。この支えを失わないためには,林業に携わる人々だけでなく,世界中の人々の支えが必要だと言われています。

(4)
 図1は人間と森林とのつながりを表しています。このロゴマークに込められた意味とはどのようなものでしょうか。「ロゴマークの中の人間の位置」についてふれながら,あなたの考える意味を書きなさい。

(5)
 地球環境を守っていくためにはさまざまな課題があります。私たちはその課題から逃げることなく,積極的に関わり,解決していく必要があります。将来,あなたが環境保全に関わっていくとしたら,これからどのような中学校生活をこころがけたいですか。また,あなたがそのように考える理由を説明しなさい。

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